プロセストレーシング 証拠テストシート
このシートは因果仮説を定式化し、証拠テストを体系的に実施するためのテンプレートです。分析前に仮説と期待される証拠シグナルを記入してください。
プロセストレーシング 証拠テストシート
基本情報
評価の基本情報を記入してください
この項目の記入例(仮想例)
説明用の仮想例です。ご自身の事業に合わせて記入してください。入力内容は変わりません。
- 事例名(プログラム/政策/組織名)
- 指標採用の会議
- 評価クエスチョン
- 研修資料はどの判断に使われたか
- 分析実施者
- 分析担当A(仮想)
- 作成日
- 2026年7月1日(仮想)
記入理由: 採用という特定の出来事を対象にします。
因果仮説の定式化
主仮説と競合仮説を事前に記入する(証拠収集前に確定すること)
この項目の記入例(仮想例)
説明用の仮想例です。ご自身の事業に合わせて記入してください。入力内容は変わりません。
| 仮説番号 | 仮説の内容(XはメカニズムMを通じてYを生んだ) | 主/競合の別 |
|---|---|---|
| H1 | 研修資料が比較視点を与え、新しい指標の採用を促した | 主 |
| H2 | 助成元の指定に合わせて指標を採用した | 競合・併存もあり得る |
記入理由: 仮説を必ず排他的とはしません。
| 仮説番号 | 仮説の内容(XはメカニズムMを通じてYを生んだ) | 主/競合の別 |
|---|---|---|
期待される証拠シグナル(事前定義)
各仮説が正しい場合に発見されるべき具体的な証拠を事前にリストアップし、テスト種類を決定する
この項目の記入例(仮想例)
説明用の仮想例です。ご自身の事業に合わせて記入してください。入力内容は変わりません。
| 仮説番号 | 期待される証拠シグナル | 証拠テスト種類(hoop/smoking gun/doubly-decisive/straw) | 証拠が見つかった場合の判定 | 証拠が見つからなかった場合の判定 |
|---|---|---|---|---|
| H1 | 採用会議より前に資料を受領 | hoop | 必要な順序と整合するが証明ではない | 完全な受領記録なら反証となり得る。ログ欠落なら判定不能 |
記入理由: 不発見を反証とする条件を明記します。
| 仮説番号 | 期待される証拠シグナル | 証拠テスト種類(hoop/smoking gun/doubly-decisive/straw) | 証拠が見つかった場合の判定 | 証拠が見つからなかった場合の判定 |
|---|---|---|---|---|
証拠収集と判定
収集した証拠を記録し、各テストの結果を記入する
この項目の記入例(仮想例)
説明用の仮想例です。ご自身の事業に合わせて記入してください。入力内容は変わりません。
| 証拠番号 | 証拠の内容・出典 | 対応する仮説 | テスト結果(支持/反証/判定不能) |
|---|---|---|---|
| E1 | 会議2日前に、担当者が資料の受領を確認して返信したという仮想記録 | H1 | 会議前の受領という必要な順序と整合。閲覧や判断への利用は未確認 |
記入理由: 送信ログだけでは受領を確認できないため、受領確認の返信を仮想証拠としました。資料を読んだか、判断に用いたかは別の証拠で確かめます。
| 証拠番号 | 証拠の内容・出典 | 対応する仮説 | テスト結果(支持/反証/判定不能) |
|---|---|---|---|
因果メカニズムの結論
証拠テストの結果を統合して因果メカニズムを記述する
この項目の記入例(仮想例)
説明用の仮想例です。ご自身の事業に合わせて記入してください。入力内容は変わりません。
記入理由: 仮説ごとの残る問題を結論に含めます。
分析チェックリスト
この項目の記入例(仮想例)
説明用の仮想例です。ご自身の事業に合わせて記入してください。入力内容は変わりません。
- ☐ 未確認: 証拠収集前に仮説と期待される証拠シグナルを事前定義した
- ☑ 確認済み: 主仮説に加えて少なくとも1つの競合仮説を立てた
- ☑ 確認済み: 各証拠のテスト種類(hoop/smoking gun等)を識別した
- ☐ 未確認: 反証する証拠も公平に記録した
- ☑ 確認済み: 競合仮説の採否の根拠を示した
- ☑ 確認済み: 結論の一般化可能性の限界を明記した
記入理由: H1の時間順序のみを調べた途中段階です。H2の期待証拠と検査計画は未記入のため1項目目は未確認、反証資料を含む収集も未完了のため4項目目は未確認とします。H2は判断を保留する理由を記し、結論には一般化の限界を付記しました。
記入前に、使いどころと完成条件を確認
プロセストレーシング 証拠テストシートは、プロセストレーシングを会議や個人作業で実行に移すための入力シートです。手法全体の期間は「計画例:単一事例の場合2〜6か月(証拠収集・分析込み)」を参考に、規模・体制に合わせて見積もります。分かる欄から仮置きし、未確定事項を次の確認課題として残してください。
このシートが役立つ場面
- 「なぜこのプログラムは機能したか(または機能しなかったか)」という因果メカニズムの解明が目的
- 少数の事例(1〜数事例)を深く分析することで、因果連鎖の具体的な経路を追跡したい
- 先行する量的評価で効果が示されたものの、そのメカニズムが不明であり、文脈を踏まえて解明したい
参加者と準備
質的研究・事例研究の経験がある評価者1〜2名。文書分析・インタビューを担当するフィールド調査員との連携。キー情報提供者(プログラム担当者・政策立案者等)へのアクセスが必要
判断に使う資料、既存データ、関係者の認識差を持ち寄ると記入が進みます。
記入の順番
- 1. 基本情報評価の基本情報を記入してください
- 2. 因果仮説の定式化主仮説と競合仮説を事前に記入する(証拠収集前に確定すること)
- 3. 期待される証拠シグナル(事前定義)各仮説が正しい場合に発見されるべき具体的な証拠を事前にリストアップし、テスト種類を決定する
- 4. 証拠収集と判定収集した証拠を記録し、各テストの結果を記入する
- 5. 因果メカニズムの結論証拠テストの結果を統合して因果メカニズムを記述する
- 6. 分析チェックリスト
完成の目安
- 因果メカニズムの図解(プログラム→メカニズム→アウトカムの連鎖)
- 証拠テスト結果の一覧表(各仮説×各証拠×テスト種類×判定)
- 競合仮説の採否の根拠
レビュー時の注意
- 「証拠テスト」を実施せず物語を構築する——時系列の記述が「プロセストレーシング」と混同されることが多い。仮説を事前に定式化し、証拠テストで識別することが手法の核心
- 競合仮説の検討を省略する——最初から結論を決めて証拠を集めると確証バイアスに陥る。必ず代替仮説を立て、どちらが証拠に整合するかを比較する
- 決定的証拠だけを求めることも、弱い証拠の数で確証することも避ける。hoop testの通過は仮説を確証せず、証拠の識別力、信頼性、相互依存を検討する。
記入済みの仮想例を読む(入力内容は変わりません)
説明用の仮想例です。会議で新しい指標が採用された過程を調べる仮想例です。
基本情報
- 事例名(プログラム/政策/組織名)
- 指標採用の会議
- 評価クエスチョン
- 研修資料はどの判断に使われたか
- 分析実施者
- 分析担当A(仮想)
- 作成日
- 2026年7月1日(仮想)
記入理由: 採用という特定の出来事を対象にします。
因果仮説の定式化
| 仮説番号 | 仮説の内容(XはメカニズムMを通じてYを生んだ) | 主/競合の別 |
|---|---|---|
| H1 | 研修資料が比較視点を与え、新しい指標の採用を促した | 主 |
| H2 | 助成元の指定に合わせて指標を採用した | 競合・併存もあり得る |
記入理由: 仮説を必ず排他的とはしません。
期待される証拠シグナル(事前定義)
| 仮説番号 | 期待される証拠シグナル | 証拠テスト種類(hoop/smoking gun/doubly-decisive/straw) | 証拠が見つかった場合の判定 | 証拠が見つからなかった場合の判定 |
|---|---|---|---|---|
| H1 | 採用会議より前に資料を受領 | hoop | 必要な順序と整合するが証明ではない | 完全な受領記録なら反証となり得る。ログ欠落なら判定不能 |
記入理由: 不発見を反証とする条件を明記します。
証拠収集と判定
| 証拠番号 | 証拠の内容・出典 | 対応する仮説 | テスト結果(支持/反証/判定不能) |
|---|---|---|---|
| E1 | 会議2日前に、担当者が資料の受領を確認して返信したという仮想記録 | H1 | 会議前の受領という必要な順序と整合。閲覧や判断への利用は未確認 |
記入理由: 送信ログだけでは受領を確認できないため、受領確認の返信を仮想証拠としました。資料を読んだか、判断に用いたかは別の証拠で確かめます。
因果メカニズムの結論
記入理由: 仮説ごとの残る問題を結論に含めます。
分析チェックリスト
- ☐ 未確認: 証拠収集前に仮説と期待される証拠シグナルを事前定義した
- ☑ 確認済み: 主仮説に加えて少なくとも1つの競合仮説を立てた
- ☑ 確認済み: 各証拠のテスト種類(hoop/smoking gun等)を識別した
- ☐ 未確認: 反証する証拠も公平に記録した
- ☑ 確認済み: 競合仮説の採否の根拠を示した
- ☑ 確認済み: 結論の一般化可能性の限界を明記した
記入理由: H1の時間順序のみを調べた途中段階です。H2の期待証拠と検査計画は未記入のため1項目目は未確認、反証資料を含む収集も未完了のため4項目目は未確認とします。H2は判断を保留する理由を記し、結論には一般化の限界を付記しました。
判断で間違えやすいこと
原因が先なら因果関係が証明されたとする
見直し方: 時間順序を必要条件として、機序と競合説明も検討する
理由: 他の要因も同じ順序で存在し得るためです。
証拠がないので仮説を棄却する
見直し方: 証拠の観察可能性と記録の完全性を確認する
理由: 起きても記録されない出来事があるためです。
参照資料と確認箇所
- Process tracingBetterEvaluation
- 参照箇所
- Process tracing involves four types of causal tests
- 本文との対応
- 証拠を見つけた場合と見つけなかった場合で、仮説への含意が同じとは限りません。
このページの引用情報
更新履歴
- — 定義と適用条件の出典を確認し、仮想事例、判断理由、全欄の記入例を追加。未確認の歴史・普及に関する断定を整理。 既存の手順・留意点も点検し、固定的な人数・閾値や制度の一般化を調整。 仮想証拠を受領確認の返信へ統一し、送信・受領・閲覧・判断への利用を区別。 記入例と完成確認の対応、条件付きの手順を再点検。


