前後差と二群の変化差を区別する
説明用の仮想例です。説明用に、介入地区と比較地区の同じ定義の指標を比べます。
| 地区 | 介入前 | 介入後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 介入地区 | 40% | 60% | 20ポイント |
| 比較地区 | 45% | 55% | 10ポイント |
| 変化の差 | — | — | 20−10=10ポイント |
この例から判断できること
10ポイントは計算上の変化差です。介入がなくても二群が平行に推移するという仮定などを検討して初めて、因果効果として解釈できます。この表だけでは仮定を確認できません。
判断で間違えやすいこと
介入地区の20ポイント増を全て効果とする
見直し方: 他要因と比較地区の変化を検討する
理由: 介入がなくても起きた変化が含まれる可能性があるためです。
似た比較群を作れば交絡は消えると考える
見直し方: 観測できない違いと方法固有の仮定を点検する
理由: 見えない参加動機などが結果に影響することがあるためです。
次に手を動かす
差の差分析シートで介入前トレンドと代替説明を整理する
よくある質問
インパクト評価と成果評価は同じですか?
用法には重なりがありますが、このガイドでは成果評価を観察された変化の把握、インパクト評価を介入の因果的な関わりの検討として整理します。長期の変化を測っただけでは、介入の因果効果を確かめたことにはなりません。採用する枠組みでの意味を示してください。
比較群がないとインパクト評価はできませんか?
比較群を作らない理論ベースの評価もあります。反事実を使った推定でも比較する時期や閾値など設計はさまざまです。方法に応じた前提と、効果量をどこまで推定できるかを明記します。
小規模事業でもインパクト評価は必要ですか?
必ずしも必要ではありません。意思決定の重要度、費用、データ入手可能性に応じて、実用的な評価設計を選びます。
参照資料と確認箇所
- Magenta Book Annex A analytical methods for use within an evaluationHM Treasury / Evaluation Task Force · 2026
- 参照箇所
- A1. Theory-based methods; A2.1 RCT; A2.2 PSM; A2.7 Difference-in-difference; A2.8 Regression discontinuity
- 本文との対応
- 因果推定手法の前提と、理論ベース評価の役割
- Is My NGO Having a Positive Impact?David Evans / Bruce Wydick(World Bank Development Impact) · 2016
- 参照箇所
- Before and After / Beneficiaries and non-beneficiaries
- 本文との対応
- NGOの成果把握と因果効果の違い、前後比較・参加非参加比較の限界
このページの引用情報
更新履歴
- — ガイド横断点検で、指標の形式、成果区分と因果判断、表の読み方、SVI2026の適用範囲を該当箇所で明確化。
- — 主張と原典の対応、仮想の完成例、判断の修正例、次の作業への導線を追加。未検証の一般化を修正。



