ひと目でわかる仕組み
- ステークホルダーのリストアップ
- 属性情報の整理
- 権力×関心マトリクスへのマッピング
- 関与戦略の策定
- 脆弱・周辺化グループへの注目
- 定期的な見直し
使う場面
- 評価設計の初期段階で、誰の視点・ニーズを評価クエスチョンに反映すべきかを整理したいとき
- 参加型評価・コミュニティ評価で、誰を参加メンバーに含めるかを決定する前
- 複数機関・多セクターが関与する事業で、各関係者の役割と利害を把握したいとき
- 評価結果の普及・活用計画で、誰にどのように伝えるかを設計するとき
向かない場面
- 関係者が少数で明確な小規模プロジェクト — 形式的な分析より直接の対話で足りる
- 権力構造の分析が政治的に非常にセンシティブな文脈 — 分析結果の取り扱いに慎重な判断が必要
参加者・体制と成果物
評価担当者・事業管理者・現場スタッフ。外部有識者を交えた場合はバイアスを抑制できる。4〜8名のワークショップが計画例として
主な成果物
- ステークホルダーリスト(属性・関心・影響力一覧)
- 権力×関心マトリクス図
- 関与戦略メモ
実施手順
- ステークホルダーのリストアップ「誰がこの事業・評価に影響を与えるか・影響を受けるか」を問い、個人・集団・組織を網羅的に書き出す。「声を上げられない人」(子ども・周辺化されたグループ)を意識的に含める。
- 属性情報の整理各ステークホルダーについて、役割・立場・主な関心事・評価結果の活用意図・関係する評価クエスチョンを簡潔に記述する。
- 権力×関心マトリクスへのマッピング横軸に「この事業・評価への関心の高さ」、縦軸に「事業・評価に対する影響力(権力)」を設定し、各関係者を4象限に配置する。
- 関与戦略の策定各象限の特性に応じた関与アプローチを決める。高権力×高関心:緊密に協働。高権力×低関心:満足を保ち、信頼を維持。低権力×高関心:積極的に情報提供・参加機会を確保。低権力×低関心:状況をモニタリング。
- 脆弱・周辺化グループへの注目権力×関心マトリクスで「低権力×低関心」に位置づけられる人々でも、評価の公正性の観点から声を収集する方法を別途検討する。
- 定期的な見直しステークホルダーの立場・関心・関係は事業の進展とともに変化する。評価の各局面で分析を更新する。
長所と限界
長所
- 評価への参加者・情報提供者の選定根拠が明確になり、評価の正当性が高まる
- 潜在的な抵抗・コンフリクトを早期に可視化し、マネジメントできる
- 評価の「誰のための評価か」という目的設定の基盤となる
限界
- 静的なスナップショットであり、関係者の立場変化への追随が必要
- 権力関係の描写が政治的なセンシティビティを生む可能性がある
- 「マッピングして終わり」になりやすく、実際の関与戦略に結びつかないことがある
⚠ よくある落とし穴
- 受益者(最終的な変化を目指す人々)をステークホルダーリストに入れ忘れる、または「低関心・低権力」に分類して軽視する
- 組織・機関レベルの分析に終始し、その中の異なる立場・利害(ジェンダー・民族・年齢等)の違いを見落とす
- 分析結果を内部資料として扱い、関係者間での共有・検証を行わない
適用条件と根拠
- 支持者だけでなく反対者や、評価の結果新たに関係する人も特定します。 [1]
未利用者の声を評価設計に含める
以下は説明用の仮想例です。住民相談窓口を評価する前に、関係者の関与方法を整理します。
| ステークホルダー名・グループ | 役割・立場 | 主な関心事 | 評価への影響力(高・中・低) | 評価への関心(高・中・低) |
|---|---|---|---|---|
| 利用者 | 支援を受ける人 | 秘密保持と相談のしやすさ | 低 | 高 |
| 未利用者 | 支援が届いていない可能性のある人 | 知られずに相談できるか | 低 | 中 |
| 予算責任者 | 事業継続を判断 | 資源配分と成果 | 高 | 高 |
| 連携窓口 | 紹介先 | 紹介負担と受入能力 | 中 | 高 |
この例から判断できること
利用者の紹介だけでは、窓口を避ける人の視点が抜けます。別の募集経路と秘密を守る聞き取り場所を確保します。
判断で間違えやすいこと
影響力が低い未利用者を対象から外す
見直し方: 届いていない理由を知る情報源として参加方法を検討する
理由: 決裁権と経験の重要性は別だからです。
事務局の推測を本人の関心として固定する
見直し方: 分析表に仮説と確認済みの区別を付け、本人に確認する
理由: 関心は立場だけから確定できないためです。
参照資料と確認箇所
- Stakeholder mapping and analysisBetterEvaluation
- 参照箇所
- 本文; Advice for using this method
- 本文との対応
- 支持者だけでなく反対者や、評価の結果新たに関係する人も特定します。
このページの引用情報
評価コンパス編集.「ステークホルダー分析」. 評価コンパス, 2026-09-13更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/stakeholder-analysis/
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