設計・セオリー評価設計評価目的KEQ評価枠組み問いの設計

評価クエスチョン設定

Key Evaluation Questions
別名: KEQ、主要評価設問、評価設問

評価で判断したいことを、利用者の意思決定と対応する問いに絞ります。調査票の設問を作る前に、何に答える評価なのかを決める作業です。 [1]

内容更新: 資料確認日: (AI照合を含む)人の監修記録なし説明用の仮想例あり編集方針・確認範囲このページを引用訂正したい箇所を伝える
難易度 中級 費用 低 期間 概算例(規模・体制で調整):半日〜1日(関係者協議を含む)

ひと目でわかる仕組み

  1. 評価目的の確認
  2. 情報ニーズの収集
  3. 問いの候補リストの整理
  4. KEQ の選定と絞り込み
  5. KEQ の構造化
  6. 判断基準の設定
  7. 関係者との合意
実施手順の流れ。各段階の内容は「実施手順」で確認できます。

評価クエスチョンは、評価全体が答える主要な問いです。事業の実施状況、対象者の変化、変化が生じた条件などから、評価目的と利用に合う問いを選びます。 [1]

問いを具体化するときは、誰について、どの期間を扱い、どんな判断や改善に使うかを明らかにします。利用可能なデータと資源を踏まえ、対象の成果を全て一度に評価しようとせず優先順位を決めます。 [1]

使う場面

  • 評価計画の策定初期段階で、評価の焦点と範囲を関係者と合意するとき
  • 評価の発注者(コミッショナー)と評価者(実施者)が評価の目的と成果物について共通理解を形成するとき
  • ロジックモデルや ToC が完成した後、「どの仮説・経路を評価するか」を選択するとき
  • 評価デザインマトリクスを作成する前の、問いの整理ステップとして

向かない場面

  • 評価の目的・利用者・活用方法が全く明確でない段階 — まずステークホルダー分析と評価可能性アセスメントが先
  • 問いが既に固定された定型フォーマット評価(標準化測定ツール等)の場合

参加者・体制と成果物

主要な評価利用者・事業担当者・対象者の代表・評価者。必要な関心と視点を踏まえて構成する。

主な成果物

  • 主要評価クエスチョン(KEQ)リスト(各問いの根拠・判断基準付き)
  • 評価設計の合意文書(Terms of Reference への統合)

実施手順

  1. 評価目的の確認
    「誰がなんのためにこの評価を行うのか」を明確にする。形成的(改善のため)か総括的(説明責任・判断のため)か、一次利用者は誰かを特定する。
  2. 情報ニーズの収集
    主要ステークホルダーにインタビューやアンケートで「評価から何を知りたいか」を収集する。多様な立場の問いを収集し、優先順位をつける前に広く集める。
  3. 問いの候補リストの整理
    収集した情報ニーズを問いの形に整理する。「何が」「どれだけ」「なぜ」「誰に」「どのように」の5Wを意識して具体化する。
  4. KEQ の選定と絞り込み
    評価の利用目的、資源、期限に照らし、重要で答えられる主要な問いを選ぶ。問数の固定ノルマではなく、意思決定に必要な範囲で絞り込む。
  5. KEQ の構造化
    主要な問いを、何を確認すれば答えに近づくかという下位の問いに分ける。必要な数は内容に応じて決める。
  6. 判断基準の設定
    各 KEQ に対して「何をもって十分/不十分と判断するか」の基準を明示する。基準が不明確だと評価結論が恣意的になる。
  7. 関係者との合意
    最終的な KEQ リストをコミッショナー・主要ステークホルダーと共有し、評価設計の合意文書(ToR の一部)として確定する。

長所と限界

長所

  • 評価の焦点が明確になり、データ収集・分析・報告の一貫性が生まれる
  • ステークホルダーの情報ニーズを反映した評価になり、結果の活用可能性が高まる
  • 評価デザインマトリクスの骨格として、評価の全工程を構造化できる

限界

  • 問いの設定段階での関係者の関与が不十分だと、評価途中でスコープ変更が起きやすい
  • KEQ が「測れるものだけ」になりやすく、重要でも測りにくい問いが排除されるリスクがある
  • 評価実施中に状況が変化し、当初の問いが陳腐化することがある

⚠ よくある落とし穴

  • 「何を改善するか」という問いが多すぎて、判断・説明責任のための問いが後回しになる
  • KEQ が抽象的すぎて(「事業は効果的だったか」)、測定計画に落とし込めない
  • 依頼者の希望する答え(advocacy)を暗黙の前提として、問い自体が誘導的になる
  • KEQ リストが確定後に変更不可として固定化され、学習や状況変化に対応できない

適用条件と根拠

  • プロセスの問いとアウトカムの問いを区別すると、実施の問題と成果の問題を整理できます。 [1]
仮想例・実績ではありません

次年度の相談時間帯を決めるための問い

以下は説明用の仮想例です。窓口の継続利用が少ないため、次年度の受付方法を見直します。

ステークホルダー知りたいこと(問いの候補)優先度(高・中・低)
利用者・未利用者今の時間帯と申込方法で相談できるか高
窓口責任者受付を変えるとどんな負担が生じるか高

この例から判断できること

利用件数だけを問うと、営業時間が合わない人の事情が見えません。件数を確かめる問いと、利用できた条件を確かめる問いを組み合わせます。

判断で間違えやすいこと

「何人利用したか」だけで成功の判断まで行う

見直し方: 必要な対象者に届いたか、届かない理由は何かも問う

理由: 人数は到達の質やアクセスの障壁を説明しないためです。

主要な問いに調査票の全設問を並べる

見直し方: 主要な判断と、それに答える小さな設問を階層化する

理由: 評価の焦点と収集項目を混同しないためです。

参照資料と確認箇所

  1. Identifying evaluation questions
    Australian Institute of Family Studies · 2019
    参照箇所
    How to develop evaluation questions; Process questions / Outcome questions
    本文との対応
    プロセスの問いとアウトカムの問いを区別すると、実施の問題と成果の問題を整理できます。
    資料確認日: (AI照合を含む)

このページの引用情報

評価コンパス編集.「評価クエスチョン設定」. 評価コンパス, 2026-10-07更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/evaluation-questions/
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更新履歴
  • — 出典に対応した説明へ更新し、手法固有の仮想記入例・判断例と更新履歴を追加。
  • — 内容確認 FW-04 に基づき、断定・固定条件または記入シートと例の不整合を最小修正。入力欄の数・順序・ラベル・セクション構造を維持。未確認資料の確認状態は変更していない。