設計・セオリー評価設計データ収集計画指標対応表評価枠組み混合研究法

評価デザインマトリクス

Evaluation Design Matrix
別名: 評価マトリクス、評価枠組み表、エビデンスマトリクス

評価の問い、判断基準、必要な情報、収集・分析方法を一行ずつ対応させる表です。問いに答えられない項目や、集めても使わない情報を見つけます。 [1]

内容更新: 資料確認日: (AI照合を含む)人の監修記録なし説明用の仮想例あり編集方針・確認範囲このページを引用訂正したい箇所を伝える
難易度 中級 費用 低 期間 概算例(規模・体制で調整):1〜2日(評価クエスチョン設定完了後)

ひと目でわかる仕組み

評価設問判断基準指標データ源収集方法分析方法設問 1設問 2設問 31行=1設問。左から右へ「どう答えるか」を具体化していく手法は設問に従う(form follows question)
評価設問ごとに、判断基準・指標・データ源・収集法・分析法を一覧化する評価設計の中心文書。

評価デザインマトリクスは、各評価クエスチョンをどの証拠と方法で検討するかを整理する道具です。問いと指標、情報源、収集方法を横に並べ、データ取得の実現性を確認します。 [1]

表の項目は評価に合わせて選びます。当サイトのシートでは担当者と期限も記入でき、収集作業を実施計画につなげます。量的・質的の欄は、問いに必要な情報を整理するために使います。 [1]

使う場面

  • 評価クエスチョン(KEQ)が確定した後、データ収集・分析の具体的な計画を立てるとき
  • 複数のデータ収集手法(量的・質的)を組み合わせる評価で、各手法の役割を整理するとき
  • 評価チームが複数人いる場合に、各メンバーの担当・役割分担を明確にするとき
  • 評価コミッショナーや出資者に評価の全体設計を説明・合意するとき

向かない場面

  • 評価クエスチョンがまだ確定していない段階 — まず KEQ の設定を完了させる
  • 単一手法・単純構造の小規模評価 — 詳細なマトリクスより簡易な計画書で十分

参加者・体制と成果物

評価担当者(主任評価者+データ収集担当者)。コミッショナーのレビューを経て確定する。2〜5名での作業は計画例です。評価の規模と必要な役割に応じて体制を調整します。

主な成果物

  • 評価デザインマトリクス(一覧表)
  • データ収集計画書
  • 評価チーム役割分担表

実施手順

  1. KEQ の転記とサブ設問の整理
    確定した KEQ とサブ設問をマトリクスの第1列に記入する。サブ設問単位で行を設定すると詳細設計に向く。
  2. 判断基準の記入
    各 KEQ/サブ設問について「何をもってそれが達成されたと判断するか」の基準(ベンチマーク・目標値・規範的基準)を記入する。
  3. 指標の設定
    各サブ設問に必要な量的指標・質的指標を選んで対応させる。両方が必要とは限らず、不要な欄には理由を記す。SMART 基準に照らして具体化し、複数の指標を設定する場合は「主指標」と「補助指標」を区別する。
  4. データ源の特定
    各指標を測定するためのデータ源(行政統計・既存報告書・調査データ・インタビュー等)を記入する。1次データが必要か2次データで賄えるかを確認する。
  5. データ収集方法の選定
    各データ源に対応する収集方法(アンケート・インタビュー・観察・文書レビュー等)を記入し、サンプルサイズ・対象者・実施時期も付記する。
  6. 分析方法の指定
    各データをどのように分析するか(記述統計・回帰・テーマ分析・内容分析等)を記入する。量的・質的データを併用する場合は、統合方法も明記する。
  7. 担当者・スケジュールの割り当て
    各行(クエスチョン/指標)に対してデータ収集担当者と期限を割り当て、実行可能な計画として完成させる。

長所と限界

長所

  • 評価の全設計要素が一枚の表に統合され、全体の整合性を一目で確認できる
  • 複数の手法・担当者がいる評価でも、誰が何をすべきかが明確になる
  • 評価クエスチョンからデータ収集・分析まで、各要素のトレーサビリティが確保される

限界

  • マトリクスが詳細になるほど作成に時間がかかり、実際の収集・分析との乖離が生じることがある
  • 実施中の変化(ステークホルダー交代・データ入手不能等)で修正が必要になるが、更新されないことが多い
  • 形式の充実が目的化し、内容の質(判断基準の妥当性等)が軽視されることがある

⚠ よくある落とし穴

  • 指標欄に「達成率」や「満足度」だけを記入し、具体的な測定方法が不明確なまま作成を終える
  • データ収集方法の欄に手法名だけ書き、サンプル・対象・時期・責任者を省略する
  • 問いに質的情報が必要なのに、量的データのみで埋めて収集・分析の設計が漏れる
  • マトリクスを作成した時点で評価設計が完了したと思い込み、パイロットテストや事前確認を省略する

適用条件と根拠

  • マトリクスの例示項目は、対象の評価に応じて調整して使います。 [1]
仮想例・実績ではありません

利用しやすさの問いを収集計画へ落とす

以下は説明用の仮想例です。相談窓口の受付改善を検討する評価で、必要な記録を特定します。

KEQ/サブ設問判断基準指標(量的)指標(質的)データ源収集方法分析方法担当者期限
今の受付方法で必要な人に届くか時間帯による未利用理由と対応案を説明できる時間帯別の重複を除く利用人数利用をためらう理由受付記録・同意のある住民記録集計・任意の個別面談時間帯別集計と理由の分類を照合評価担当A2026年11月15日

この例から判断できること

集計と聞き取りの役割を分けると、利用の偏りとその理由を照合できます。時間帯を変えた後の結果も別途確認します。

判断で間違えやすいこと

情報源に「アンケート」とだけ書く

見直し方: 誰にいつ尋ね、どの問いをどの設問で確かめるかを書く

理由: アンケートという方法名だけでは回答可能性を判断できないためです。

全ての行を量的・質的の両方で埋めることを目的にする

見直し方: 必要な情報の種類を選び、不要な欄には理由を記す

理由: 方法の数ではなく問いに適した証拠が必要だからです。

参照資料と確認箇所

  1. How to Manage Gender-Responsive Evaluation: Evaluation Handbook
    UN Women · 2015
    参照箇所
    Tool 8: Evaluation matrix template, p. 138
    本文との対応
    マトリクスの例示項目は、対象の評価に応じて調整して使います。
    資料確認日: (AI照合を含む)

このページの引用情報

評価コンパス編集.「評価デザインマトリクス」. 評価コンパス, 2026-10-06更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/evaluation-matrix/
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更新履歴
  • — 問いに必要な指標を選ぶ説明と完成チェックを統一し、体制の途切れ文を修正。
  • — 出典に対応した説明へ更新し、手法固有の仮想記入例・判断例と更新履歴を追加。