評価の実務ガイド

OECD-DAC 6基準とは?妥当性・整合性・有効性・効率性・インパクト・持続性の使い方

OECD-DAC評価6基準の意味、使い分け、評価クエスチョン例、行政・国際協力・NPO事業での活用方法を解説します。

まず結論

OECD-DAC 6基準とは、介入を妥当性、整合性、有効性、効率性、インパクト、持続性の6つの観点から評価する国際的な枠組みです。評価の論点整理に便利ですが、すべての基準を機械的に使うのではなく、評価目的に応じて選ぶことが重要です。 [1]

OECD-DAC基準は、国際協力だけでなく、行政評価、財団助成、NPO事業、社会的インパクト評価でも参照される代表的な評価フレームワークです。

ただし、6基準をそのまま章立てにするだけでは良い評価になりません。各基準を、具体的な評価クエスチョンに落とす必要があります。

評価の目的に合う基準を選ぶ

6つの観点を確認し、評価設問と判断の書き方へ具体化します。

6基準の意味

妥当性は、事業がニーズや政策目的に合っているかを見る観点です。整合性は、他の政策や支援との一貫性、有効性は目標達成、効率性は資源の使い方、インパクトは広い変化、持続性は効果が続く見込みを扱います。

評価では、それぞれを抽象語のまま使わず、対象事業に合わせた問いへ変換します。

6基準の意味
基準見ること評価クエスチョン例
妥当性ニーズや目的との合致対象者の課題に合っていたか
整合性他施策との一貫性既存支援と重複・補完していたか
有効性目標達成期待したアウトカムは生じたか
効率性資源の使い方成果に対して費用や時間は妥当か
インパクト重要な、より高次の正負の影響意図しない正負の変化はあったか
持続性効果の継続支援終了後も変化は続くか
[1]

すべての基準を使わなくてもよい

OECDは、6基準を機械的に適用せず、評価の目的、関係者の情報ニーズ、事業の文脈に即して解釈するよう求めています。重点を置く基準と、その理由を明記します。

以下は本サイトの検討例であり、目的ごとの必須基準ではありません。助成元や委託者の指定がある場合は、その要件との対応も確認してください。

  • 改善目的: 妥当性、有効性、実施プロセスを重視
  • 継続判断: 有効性、効率性、持続性を重視
  • 政策判断: 整合性、インパクト、効率性を重視
  • 助成報告: 妥当性、有効性、学びを重視
[1]

報告書に書くときの注意

DAC基準を使う場合、各基準に対して根拠、判断、限界をセットで書きます。「有効性は高い」と書くだけでは不十分です。何を根拠に、どの範囲で、どんな制約つきでそう判断したのかを明示します。

基準同士はトレードオフになることもあります。たとえば短期の効率性は低くても、長期の持続性を高める投資だった可能性があります。

実務上の整理・提案

基準を評価設問へ変換する

DAC基準をそのまま見出しに置くだけでは、調査すべき証拠が決まりません。たとえば妥当性なら「対象者のニーズに合っていたか」、有効性なら「期待したアウトカムはどの程度生じたか」、持続性なら「支援終了後に継続する条件は整っているか」と具体的に問いへ変換します。

評価設問にした後は、各設問に指標、データ源、判断基準を対応させます。この対応表があると、報告書で基準ごとの結論を書くときに根拠を追いやすくなり、読み手にも評価判断の透明性が伝わります。

  • 基準名をそのまま質問にしない
  • 評価目的に合わせて基準を優先順位づけする
  • 基準ごとに根拠データと限界を書く
  • トレードオフがある場合は別立てで考察する
実務上の整理・提案
仮想例・実績ではありません

巡回相談を続ける条件を3つの観点で整理する

説明用の仮想例です。複数地区への巡回相談を次年度も続けるか検討します。

観点集める証拠仮の判断と残る問い
妥当性未利用者への聞き取り平日昼の開催では働く人に届きにくい
有効性申請の開始状況と追跡欠測一部で前進。未把握者を含む全体の成果は未確定
効率性移動費・職員時間・相談実績夜間枠を含む代替案と費用を比較する

この例から判断できること

この3観点だけで全体の価値を評価したとは言えません。整合性、持続性、より広い影響を今回どこまで扱うか、別途明示します。

判断で間違えやすいこと

6基準すべてを同じ文字数で埋める

見直し方: 判断目的に応じて重点と対象外の理由を書く

理由: 形式を揃えることより必要な問いへ答えることが目的だからです。

安く実施できたので効率性が高いとする

見直し方: 成果や質、代替案、時間も合わせて比較する

理由: 支出の少なさだけでは資源が有効に使われたか分からないためです。

次に手を動かす

評価基準シートで使う観点と使わない観点の理由を整理する

よくある質問

DAC 5基準と6基準の違いは?

現在は整合性が加わり、妥当性、整合性、有効性、効率性、インパクト、持続性の6基準として使われます。

国内事業でもDAC基準は使えますか?

使えます。国際協力以外でも、政策・助成・NPO事業の評価観点を整理する枠組みとして有用です。

DAC基準だけで評価設計はできますか?

基準は観点であり、具体的なデータ収集方法ではありません。評価クエスチョン、指標、データ収集計画へ落とす必要があります。

参照資料と確認箇所

  1. Evaluation Criteria
    OECD
    参照箇所
    Principles for using evaluation criteria / Six lenses to analyse an intervention and its results
    本文との対応
    6基準と、目的・文脈に応じて適用する原則
    資料確認日: (AI照合を含む)
内容更新: 資料確認日: (AI照合を含む)人の監修記録なし説明用の仮想例あり編集方針・確認範囲このページを引用訂正したい箇所を伝える

このページの引用情報

評価コンパス編集.「OECD-DAC 6基準とは?妥当性・整合性・有効性・効率性・インパクト・持続性の使い方」. 評価コンパス, 2026-09-13更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/guides/dac-criteria/
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更新履歴
  • — 原典へのリンク、定義の適用範囲、仮想の完成例と判断例を追加。根拠のない固定件数・時期の助言を見直し。