総合フレームワーク国際協力ODA評価評価基準JICA外務省

OECD-DAC評価6基準

OECD-DAC Evaluation Criteria
別名: DAC基準、ODA評価6基準

妥当性・整合性・有効性・効率性・インパクト・持続可能性という6つの観点から、事業の価値を検討します。評価の目的に合わせて問いと重点を定めます。 [1]

内容更新: 資料確認日: (AI照合を含む)人の監修記録なし説明用の仮想例あり編集方針・確認範囲このページを引用訂正したい箇所を伝える
難易度 中級 費用 中 期間 概算例(規模・体制で調整):基準の適用自体は評価設計段階で1〜2日。評価全体は事業規模による

ひと目でわかる仕組み

評価6 Criteria妥当性Relevanceニーズに合っているか整合性Coherence他の介入と調和するか有効性Effectiveness目標を達成したか効率性Efficiency資源を有効に使ったかインパクトImpact大きな変化を生んだか持続性Sustainability効果は続くか
OECD-DACの6評価基準。2019年改訂で「整合性」が加わった。国際協力評価の世界標準。

OECD-DACの6基準は、事業の価値を判断するための相補的な観点です。妥当性はニーズとの適合、整合性は他の施策等との関係、有効性は目的の達成、効率性は資源の使い方、インパクトは重要な変化、持続可能性は便益の継続を扱います。 [1]

基準は調査手法そのものではありません。評価の利用目的、対象事業、関係者のニーズに応じて具体的な問いを設定し、必要な方法を選びます。全基準を機械的に同じ重みで扱う必要はありません。 [1]

使う場面

  • ODA・国際協力プロジェクトの終了時評価や中間評価を実施するとき
  • 複数の事業・プログラムを共通の軸で比較評価したいとき
  • 資金提供者(ドナー)への説明責任を果たす評価報告書を作成するとき
  • 評価クエスチョンを6基準ごとに体系的に設計したいとき

向かない場面

  • 6基準を固定の調査方法として扱う場合。基準は問いの視点であり、実際の調査設計は別に決める。
  • 全基準へ同じ分量を割り当てて、利用目的に重要な問いを調べられなくなる場合。

参加者・体制と成果物

評価チーム(評価専門家1〜3名)+事業担当者。中間・終了評価では外部評価者を含むことが多い

主な成果物

  • 評価マトリクス
  • 基準別評価結果・評点
  • 教訓・提言リスト
  • 評価報告書

実施手順

  1. 評価目的と対象の確認
    誰のための評価か(ドナー・実施機関・受益者)を明確にし、6基準のうちどれを重点的に問うかを関係者と合意する。全基準を均等に扱う必要はない。
  2. 評価クエスチョンの設定
    目的に合う基準を選び、対象事業と利用目的に合う問いへ具体化する。各基準に一定数の問いを割り当てる必要はない。
  3. 評価マトリクスの作成
    基準・クエスチョン・指標・情報源・収集方法を一覧化した評価マトリクスを作成する。情報収集の重複を防ぎ、答えられない問いを早期に発見できる。
  4. データ収集
    文献・報告書レビュー、インタビュー、現地調査、アンケートなど複数手法を組み合わせて各基準に必要な情報を収集する。
  5. 基準ごとの分析と判断
    収集データを基準別に整理し、評価クエスチョンへの回答を根拠付きで記述する。評点スケール(例: 4段階)を使う場合はその定義を事前に決めておく。
  6. 教訓・提言の抽出
    6基準の分析を統合し、次のプロジェクト設計や政策に活かせる教訓と提言を具体的に記述する。一般論ではなく、この事業から導かれる固有の学びを優先する。

長所と限界

長所

  • 国際的な共通語彙として機能し、異なる機関・国の評価者が同じ基準で議論できる
  • 6基準の組み合わせで事業の多面的な側面を網羅的に評価できる
  • 評価の比較可能性が高く、教訓の蓄積・横断的学習に適する
  • 2019年の整合性追加で政策一貫性(PCD)の視点が強化された

限界

  • 6基準を形式的に当てはめるだけでは、事業の本質的な問いを見落とす恐れがある
  • 基準間の重み付けが明示されないため、総合評価の判断が評価者の裁量に依存しやすい
  • 「インパクト」と「持続性」は評価時点では情報が不十分なことが多く、十分な回答が困難なケースがある

⚠ よくある落とし穴

  • 6基準全てに同等の調査時間を割いてしまい、肝心の問いへの回答が浅くなる — 重点基準を事前に絞り込む
  • 「有効性」を目標達成率だけで判断し、目標設定の適切さ(妥当性)や外部要因の影響を無視する
  • 評価報告書が基準別の羅列になり、総合的な「なぜ・どうすれば」が見えなくなる

適用条件と根拠

  • 基準の適用範囲と重点は、評価の目的と文脈に応じて決めます。 [1]
仮想例・実績ではありません

相談窓口の到達と連携を重点評価する

以下は説明用の仮想例です。次年度の窓口改修に向け、住民ニーズとの適合と他機関との連携を重点的に見ます。

基準(重点★)評価クエスチョン測定指標情報源収集方法
妥当性★必要な時間に相談できるか時間帯別の希望・未利用理由利用者・未利用者任意面談
整合性★紹介先と重複や空白がないか紹介の中断・重複の例窓口間の連携記録記録照合

この例から判断できること

インパクトの長期追跡が未了でも、今ある証拠で受付の改善は検討できます。未評価の基準に便宜的な評点を付けません。

判断で間違えやすいこと

全基準の点を平均すれば客観的な結論になるとする

見直し方: 重点と判断基準を説明し、未評価は未評価と記す

理由: 異なる価値判断を平均しても証拠の不足は解消しないためです。

インパクトを参加者満足度で判断する

見直し方: 重要な変化の内容とそれを確かめる情報を定める

理由: 反応と広い変化は異なる観点だからです。

参照資料と確認箇所

  1. Evaluation Criteria
    OECD
    参照箇所
    Principles for using evaluation criteria; Six lenses to analyse an intervention and its results
    本文との対応
    基準の適用範囲と重点は、評価の目的と文脈に応じて決めます。
    資料確認日: (AI照合を含む)

このページの引用情報

評価コンパス編集.「OECD-DAC評価6基準」. 評価コンパス, 2026-10-07更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/dac-criteria/
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