調整と前提を見える形で比率を出す
説明用の仮想例です。架空の1年間の事業を用いた計算練習です。金銭代理値や調整率は実際の推奨値ではありません。
| 計算要素 | 仮の設定 | 結果 |
|---|---|---|
| 調整前の価値 | 20件×10万円 | 200万円 |
| 自然に起きる変化・他者の寄与 | 20%と25%を順に控除。置換なしと仮定 | 200万円×0.8×0.75=120万円 |
| 割引 | すべて当期の価値。将来分なし | 現在価値120万円 |
| 比率 | 投入100万円 | 120÷100=1.2:1 |
| 感度分析 | 代理値だけを10万円から8万円へ変更 | 96÷100=0.96:1 |
この例から判断できること
代理値の仮定だけで比率が1を下回るため、1.2という結果のみを強調しません。未金銭化の重要な変化と、置換なしという仮定の根拠不足も記載します。
判断で間違えやすいこと
金額にできる成果だけを選び高い比率を示す
見直し方: 重要な変化を先に洗い出し、除外したものと理由を残す
理由: 価値の選別による過大評価を防ぐためです。
異なる団体のSROI比率をそのまま順位付けする
見直し方: 対象者、期間、代理値、調整方法が比較可能か確かめる
理由: 同じ比率名でも計算の範囲と前提が違うためです。
次に手を動かす
SROIシートで成果ごとの代理値の根拠と調整率を点検する
よくある質問
SROIが高ければ良い事業ですか?
必ずしもそうではありません。前提や換算方法で値は変わるため、比率だけでなく成果の質、根拠、限界を見る必要があります。
小規模NPOでもSROIは使えますか?
目的に対して負担が見合うかを検討します。成果の整理や一部の金銭換算だけを行う場合は、その範囲を明記し、SROIの全手順を行った比率として報告しないでください。
SROIと費用便益分析の違いは?
どちらも価値を金銭換算しますが、SROIはステークホルダーの変化や社会的価値の説明を重視する点が特徴です。
参照資料と確認箇所
- A guide to Social Return on InvestmentThe SROI Network / Social Value International · 2012
- 参照箇所
- Stage 4 Establishing impact / Stage 5 Calculating the SROI / Resources 1(報告の項目)
- 本文との対応
- 変化の金銭評価、他要因の調整、比率と感度分析
- Standards for Applying the Principles of Social Value: The Complete SetSocial Value International · 2026
- 参照箇所
- Section Three, p.30(報告の種類)/ Part B p.33 item 8(比率の任意開示)
- 本文との対応
- SROI報告と、組織向け社会的価値報告における比率の開示範囲の区別
このページの引用情報
更新履歴
- — ガイド横断点検で、指標の形式、成果区分と因果判断、表の読み方、SVI2026の適用範囲を該当箇所で明確化。
- — 主張と原典の対応、仮想の完成例、判断の修正例、次の作業への導線を追加。未検証の一般化を修正。





