ひと目でわかる仕組み
- 意思決定場面を洗い出す
- 学習課題を問いに変換する
- 既存証拠とデータを棚卸しする
- 優先順位を決める
- 評価・調査ポートフォリオに落とす
- 学習レビューの場を固定する
使う場面
- 評価したいことが多すぎて、どの問いから着手すべきか整理したい
- 年度計画や中期計画に、評価・調査・データ活用の優先順位を組み込みたい
- 助成事業やNPOで、学習と改善のサイクルを組織的に回したい
- EBPMのために、政策判断に必要なエビデンス構築計画を作りたい
向かない場面
- すでに評価クエスチョンとデータ収集計画が明確に決まっている単発評価
- 組織内で学習結果を意思決定に使う権限や場がなく、問いだけが棚上げされる状況
参加者・体制と成果物
事業責任者、現場、評価、データの担当と、学習成果を使う関係者。意思決定と現場の問いをつなぐ体制を整える。
主な成果物
- 学習課題リスト
- 評価・調査ポートフォリオ
- 学習レビュー年間計画
実施手順
- 意思決定場面を洗い出す意思決定の周期に合わせ、継続、改善、拡大、撤退、予算配分などの判断を列挙する。誰がいつ決めるかも記録する。
- 学習課題を問いに変換する各判断に必要な不確実性を「何が分かれば判断できるか」という問いにする。問いは評価クエスチョンの候補にもなる。
- 既存証拠とデータを棚卸しする既存の報告書、モニタリング指標、行政データ、先行研究、現場記録で答えられる問いを先に分ける。
- 優先順位を決める意思決定への影響度、緊急度、実施可能性、費用を基準に問いを並べ替える。全てを同時に調査しないことが重要。
- 評価・調査ポートフォリオに落とす短期の聞き取り、定期モニタリング、外部評価、効果検証など、問いごとに最適な証拠収集手段と時期を決める。
- 学習レビューの場を固定する得た知見を誰が読み、どの会議で何を決めるかを予定表に入れる。知見の利用責任者を明確にする。
長所と限界
長所
- 評価を単発報告ではなく、継続的な意思決定と学習に接続できる
- 限られた予算でも、重要な問いへ評価資源を集中できる
- EBPM、助成事業、組織学習の共通言語として使いやすい
- 既存データで答えられる問いを見つけ、不要な調査を減らせる
限界
- 問いを決めても、意思決定者が学習結果を使わなければ効果が出ない
- 課題が広すぎると、実行不能な調査リストになる
- 短期成果が見えにくく、組織内の継続的な運用責任が必要
⚠ よくある落とし穴
- 関係者の関心を全部入れて、優先順位のない長い問いリストにしてしまう
- 既存データの棚卸しをせず、すぐ新しいアンケートや外部評価に進む
- 学習レビューの場を決めず、結果を読む人がいない
適用条件と根拠
- 学習課題は意思決定と証拠構築をつなぐ問いとして設定します。 [1]
受付時間変更の判断に必要な問いを選ぶ
説明用の仮想例です。相談事業の次期受付時間を検討する仮想の計画です。
| 問い | 判断への用途 | 証拠と期限 |
|---|---|---|
| 夜間希望者は現行時間に来所できないか | 夜間枠の試行を決める | 未利用者聞き取り/11月 |
| 受付案内を理解できたか | 案内文を修正する | 案内テスト/10月 |
この例から判断できること
満足度を何となく集めるより、判断期限に間に合う問いを優先します。これは実施済みの調査結果ではありません。
判断で間違えやすいこと
関心のあるテーマをすべて並べる
見直し方: 判断への影響と証拠不足で優先順位を付ける
理由: 調査資源と期限には制約があるためです。
学習課題を一度決めたら固定する
見直し方: 証拠が得られた時点で問いと優先度を更新する
理由: 答えが出た問いや不要になった問いに資源を使い続けないためです。
参照資料と確認箇所
- The President’s Management Agenda Learning Agenda FY23 Year End ReportU.S. Office of Management and Budget
- 参照箇所
- Introduction: What is the PMA Learning Agenda?(印刷p.4)
- 本文との対応
- 学習課題は意思決定と証拠構築をつなぐ問いとして設定します。
このページの引用情報
評価コンパス編集.「学習アジェンダ」. 評価コンパス, 2026-09-13更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/learning-agenda/
閲覧日は利用者が追記してください。本サイトが作成した本文の再利用はCC BY 4.0。引用・外部資料・同梱フォントには、それぞれの利用条件が適用されます。再利用時は出所とライセンスへのリンクを示し、変更した場合はその旨を表示してください。
更新履歴
- — 定義と適用条件の出典を確認し、仮想事例、判断理由、全欄の記入例を追加。未確認の歴史・普及に関する断定を整理。 既存の手順・留意点も点検し、固定的な人数・閾値や制度の一般化を調整。

