分析・統合エビデンス統合政策形成研究ギャップ体系的レビューEBPM

エビデンスギャップマップ

Evidence Gap Map
別名: EGM、証拠ギャップマップ、エビデンスマップ

対象領域の研究を体系的に探索・分類し、介入と成果などの枠組み上で証拠の所在と不足を見えるようにする方法です。効果の結論を示すものとは区別します。 [1]

内容更新: 資料確認日: (AI照合を含む)人の監修記録なし説明用の仮想例あり編集方針・確認範囲このページを引用訂正したい箇所を伝える
難易度 上級 費用 中 期間 作業計画の参考例(共通の標準時間ではありません):小規模で2〜6週間、本格版は2〜6か月

ひと目でわかる仕組み

  1. スコープと問いを決める
  2. 行列の軸を設計する
  3. 検索戦略を作る
  4. 文献をスクリーニングする
  5. 品質と属性をコーディングする
  6. ギャップと過密領域を解釈する
実施手順の流れ。各段階の内容は「実施手順」で確認できます。

エビデンス・ギャップ・マップは、あらかじめ範囲と分類枠を定めて研究を探し、どの領域にどのような証拠があるかを整理します。利用者が関心のある研究へたどり着き、新たな研究の優先順位を考える助けになります。 [1]

研究がないセルは、設定した検索範囲で対象研究を見つけられなかったことを示します。効果がないことを意味しません。研究が多い領域でも、研究の質や対象の違いを確認せず有効性を判断しないようにします。 [1]

使う場面

  • 新規事業や政策領域で、既存エビデンスの全体像を把握したい
  • どのテーマに追加評価や研究投資をすべきか優先順位を決めたい
  • 助成財団・行政・研究機関で、エビデンス構築戦略を作りたい
  • 評価計画の前に、既に分かっていることと未検証のことを分けたい

向かない場面

  • 単一事業の短期改善に必要な現場情報を得たい場合
  • 文献検索・スクリーニング・品質評価を行う体制がない場合

参加者・体制と成果物

評価者、文献レビュー担当、対象領域の専門家、政策担当者。小規模版でも検索・分類担当を分けると安定する

主な成果物

  • エビデンスギャップマップ
  • 文献台帳
  • 追加評価・研究の優先課題リスト

実施手順

  1. スコープと問いを決める
    対象領域、介入、アウトカム、対象国・地域、文献の種類、期間を定義する。広すぎると実行不能になる。
  2. 行列の軸を設計する
    介入カテゴリとアウトカムカテゴリを実務者が使える粒度で作る。カテゴリは重複しすぎないよう整理する。
  3. 検索戦略を作る
    データベース、機関サイト、灰色文献、検索語、除外基準を文書化する。再現性のために検索日も記録する。
  4. 文献をスクリーニングする
    タイトル・抄録・本文の順に基準に合う文献を選別する。2名レビューや抜き取り確認で選別の一貫性を高める。
  5. 品質と属性をコーディングする
    研究デザイン、対象者、地域、アウトカム、品質評価、主要結論などをコード化し、行列に配置する。
  6. ギャップと過密領域を解釈する
    証拠がない領域、レビューが必要な領域、追加評価の優先領域を関係者と意味づけする。

長所と限界

長所

  • 既存エビデンスの分布を視覚的に把握できる
  • 評価・研究投資の重複を避け、ギャップへ資源を向けられる
  • 政策担当者や助成機関に説明しやすい成果物になる
  • 学習アジェンダや評価計画の上流で使うと効果が大きい

限界

  • 研究の有無を示す手法であり、単独で効果の結論を出すものではない
  • 検索範囲やカテゴリ設計により、見えるギャップが変わる
  • 本格的に行うには文献レビューと品質評価の専門性が必要

⚠ よくある落とし穴

  • 地図を見て『証拠が多い=効果がある』と誤解する
  • 検索戦略を文書化せず、再現できないエビデンスマップにする
  • 実務者が使えない細かすぎるカテゴリで行列を作る

適用条件と根拠

  • 証拠の有無と効果の有無を区別し、マップの検索範囲と研究の内容を示します。 [1]
仮想例・実績ではありません

学習支援研究の所在を小さな行列で整理する

説明用の仮想例です。実在論文ではなく、作成方法を説明するために架空の研究数を置いた例です。

介入出席の研究数安心感の研究数
交通支援20
個別学習支援31

この例から判断できること

交通支援と安心感のセルの0は、仮定した探索で該当研究がないという意味です。交通支援が安心感に無効だとは結論しません。

判断で間違えやすいこと

研究数の多さで有効性を判定する

見直し方: 設計、質、対象、効果の内容を別に確認する

理由: 件数には研究結果の方向や信頼性が含まれないためです。

空白セルを効果なしと表記する

見直し方: 対象研究が見つからないと表記する

理由: 未研究と効果がないことは異なるためです。

参照資料と確認箇所

  1. Strategic evidence creation and use with evidence and gap maps
    Campbell Collaboration · 2018
    参照箇所
    Evidence and gap maps
    本文との対応
    証拠の有無と効果の有無を区別し、マップの検索範囲と研究の内容を示します。
    資料確認日: (AI照合を含む)

このページの引用情報

評価コンパス編集.「エビデンスギャップマップ」. 評価コンパス, 2026-09-13更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/evidence-gap-map/
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更新履歴
  • — 定義と適用条件の出典を確認し、仮想事例、判断理由、全欄の記入例を追加。未確認の歴史・普及に関する断定を整理。 既存の手順・留意点も点検し、固定的な人数・閾値や制度の一般化を調整。