参加型・質的アプローチグループ合意優先順位アイデア出し構造化討議参加型

名目集団法

Nominal Group Technique
別名: NGT、名義集団法

個人での発想、順番の共有、意味の確認、個別の順位付けを通して、集団の優先順位を整理する方法です。声の大きさの影響を抑えます。 [1]

内容更新: 資料確認日: (AI照合を含む)人の監修記録なし説明用の仮想例あり編集方針・確認範囲このページを引用訂正したい箇所を伝える
難易度 初級 費用 低 期間 概算例(規模・体制で調整):1〜3時間(グループ1セッション)

ひと目でわかる仕組み

  1. 設問の設定と参加者への説明
  2. 個別のサイレント発想(5〜10分)
  3. ラウンドロビン共有
  4. クラリフィケーション(明確化)
  5. 個別投票と集計
  6. 結果の議論と最終合意
実施手順の流れ。各段階の内容は「実施手順」で確認できます。

名目集団法では、参加者がまず独立して考えを出し、順番に共有します。全員の案を記録した後、意味や重要性を話し合い、個別の投票で優先順位を整理します。 [1]

一つの問いに焦点を当て、発想の段階と評価の段階を分けます。得られる順位はその集団の選好を示すものであり、地域全体の代表的な意見や実行可能性が自動的に保証されるわけではありません。 [1]

使う場面

  • 多様な立場・地位の参加者が対等に意見を出し合える場を設計したい
  • 評価クエスチョン・評価基準・改善提案を短時間でグループ合意したい
  • ブレインストーミングで声の大きい人に支配されることを防ぎたい
  • 匿名投票で客観的な優先順位を決定したい

向かない場面

  • 自由な長い対話で新しい視点を深めたい場合は、別の対話時間も設ける。
  • 個別に考える時間や全員の順番、秘密を保った投票を実施できない場合。大人数では分割等を検討する。

参加者・体制と成果物

少人数で実施(CDCの準備例は5〜9名。目的と全員の発言機会に応じて人数を設定)(ファシリテーター1名+記録者1名)。1セッション。複数グループで同時実施も可

主な成果物

  • 優先順位付きアイデアリスト(投票結果集計)
  • 全発言アイデアの記録(フリップチャート)

実施手順

  1. 設問の設定と参加者への説明
    「あなたが最も重要と考えるものは何か」という中心設問を具体的に設定する(例: 「この事業評価で最優先すべき評価クエスチョンは何か」)。ファシリテーターがプロセスを説明し、全員が安心して発言できる雰囲気を作る。
  2. 個別のサイレント発想(5〜10分)
    全員が黙って、設問に対するアイデアを各自で書き出す。他者の影響を受けず個人のアイデアを最大化する最重要フェーズ。ファシリテーターは発言・会話を禁止する。
  3. ラウンドロビン共有
    参加者が1人ずつ順番に1アイデアを発表し、ファシリテーターがフリップチャートに記録する。全員のアイデアが出尽くすまでラウンドを繰り返す。この段階では議論・批判・質問は禁止。
  4. クラリフィケーション(明確化)
    リストに上がった全アイデアについて、意味の確認・重複の統合を行う。この段階で初めて発言者が補足説明をし、他者が質問できる。議論は許容するが批判は控える。
  5. 個別投票と集計
    投票前に選択数と配点を説明し、各自が他者の票を見ずに順位を記入する。候補数に合う規則を選び、合計点と選択された人数を取り違えないよう集計する。
  6. 結果の議論と最終合意
    集計結果に対して最終的な議論・調整を行い、グループの優先順位を確定する。予想外の結果(期待に反した上位・下位項目)に注目することで重要な気づきが生まれることがある。

長所と限界

長所

  • 個別の発想、順番の共有、非公開の投票を分け、発言の機会と判断の独立性を確保しやすい。
  • サイレント発想フェーズにより、他者に影響されない独自のアイデアが引き出せる
  • 1〜3時間で優先順位合意まで到達できる効率性
  • シンプルなプロセスで高い信頼性の結果が得られる

限界

  • グループ間の相互学習・深い対話・視点の統合には弱い
  • 「リストにないもの」が生まれにくく、発散的創造には向かない
  • 投票結果が必ずしも最良の答えを指すわけではない

⚠ よくある落とし穴

  • サイレント発想フェーズを省略して「最初から挙手で発表」にすると、NGTの最大のメリットが失われる
  • ラウンドロビンで「他の人と同じです」と言わせると平等性が崩れる — パスのルールを明確にする
  • 投票後に「やはり変えたい」という修正圧力が上位者からかかる場合があるため、匿名集計を徹底する

適用条件と根拠

  • 個人の発想を記録してから意味を確認し、最後に個別投票で優先順位を決めます。 [1]
  • CDCのNGT準備例は5〜9名ですが、人数は目的と全員の発言機会に応じて設定します。 [1]
仮想例・実績ではありません

窓口の改善案を6人で優先付けする

以下は説明用の仮想例です。6人が3案から上位2案を選び、1位2点・2位1点で投票する仮想会議です。

アイデア番号アイデア内容(短縮)合計点数選択人数
1電話予約85
2夜間枠64
3短い案内文43

この例から判断できること

合計18点は6人×3点と一致します。得点は選好の記録で、費用や安全性の審査を代わりに行うものではありません。

判断で間違えやすいこと

最初から自由討論して発言の多い案に投票する

見直し方: 独立した発想と順番の共有を先に行う

理由: 他者の発言に引きずられる前に意見を集めるためです。

最高得点案を検討なしで実施決定する

見直し方: 順位を確認し、資源と実行条件を検討する

理由: 投票が示すのは参加者の優先であり実施条件ではないためです。

参照資料と確認箇所

  1. Gaining Consensus Among Stakeholders Through the Nominal Group Technique (Evaluation Briefs No. 7)
    Centers for Disease Control and Prevention · 2018
    参照箇所
    Defining the Nominal Group Technique; The Four Step Process to Conduct NGT; p.1 How to Prepare for NGT / The Meeting Room
    本文との対応
    個人の発想を記録してから意味を確認し、最後に個別投票で優先順位を決めます。 5〜9名を収容する部屋の準備例です。全ての実施条件の最適人数を定めたものとして扱いません。
    資料確認日: (AI照合を含む)

このページの引用情報

評価コンパス編集.「名目集団法」. 評価コンパス, 2026-10-07更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/nominal-group-technique/
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更新履歴
  • — 出典に対応した説明へ更新し、手法固有の仮想記入例・判断例と更新履歴を追加。
  • — 内容確認 FW-02 に基づき、断定・固定条件または記入シートと例の不整合を最小修正。入力欄の数・順序・ラベル・セクション構造を維持。未確認資料の確認状態は変更していない。
  • — 限定追調査FW-U01〜U05に基づき、分析方式・記録期限・人数の適用範囲と、回答率チェックの前提を明確化。既存入力欄は維持し、数値目安自体を誤りと断定していない。