ひと目でわかる仕組み
- マップの焦点を決める
- 要因を洗い出す
- 因果リンクを結ぶ
- ループとレバレッジポイントを読む
- 評価クエスチョンへ変換する
- マップを更新する
使う場面
- 複雑な地域課題や政策で、成果の経路が単線的に描けない
- 関係者の見方がばらばらで、問題構造への共通理解を作りたい
- 事業の副作用や外部要因、相互作用を評価設計に入れたい
- ロジックモデルやToCの前段として、より広いシステムを見たい
向かない場面
- 短期・単純な事業で、投入から成果までの経路が明確な場合
- 強い対立や権力差があり、同じ場で関係者が率直に話せない場合
参加者・体制と成果物
影響を受ける人、現場、関連機関、政策などの立場を含む参加者とファシリテーター。人数は多様な視点と対話のしやすさから調整する。
主な成果物
- システムマップ
- 重要ループ・介入点リスト
- 評価クエスチョン候補
実施手順
- マップの焦点を決める何のシステムを描くか、境界をどこに置くか、時間軸をどの程度見るかを決める。
- 要因を洗い出す成果、行動、制度、資源、心理、環境など、変化に関係する要因を参加者から広く出してもらう。
- 因果リンクを結ぶ要因Aが要因Bを増やす・減らす関係を線で結ぶ。根拠が弱いリンクは仮説として印を付ける。
- ループとレバレッジポイントを読む強化ループ、均衡ループ、ボトルネック、影響が集中する要因を探す。すぐ変えられる要因と構造的要因を分ける。
- 評価クエスチョンへ変換する重要なリンクやループについて、実際に働いているかを確認する問いと指標を設定する。
- マップを更新する評価やモニタリングで得た証拠を反映し、仮説のリンクを修正する。地図を固定成果物にしない。
長所と限界
長所
- 複雑な相互作用や副作用を評価設計に取り込める
- 関係者の暗黙知を可視化し、共通理解を作れる
- 評価クエスチョンや指標の候補を、システム構造から導ける
- 発展的評価やToCと組み合わせると、適応的な運用に使いやすい
限界
- マップは現実そのものではなく、参加者の認識に基づく仮説である
- ファシリテーションが弱いと、声の大きい人の見方に偏る
- 複雑な地図を作りすぎると、実務で使えない成果物になる
⚠ よくある落とし穴
- きれいな図を作ることが目的化し、評価クエスチョンへ変換しない
- 要因を増やしすぎて、どこを見るべきか分からない地図になる
- 権力差への配慮をせず、参加者が本音を出せない場になる
適用条件と根拠
- 境界と参加者を明示し、異なる見解を残して、地図を更新可能なものとして扱います。 [1]
欠席の連鎖から確認する問いを選ぶ
説明用の仮想例です。学習支援への参加を考える仮想ワークショップの記録です。
| 要因のつながり | 参加者の仮説 | 次の確認 |
|---|---|---|
| 移動負担→参加頻度 | 負担が増えると参加が減る | 欠席理由の聞き取り |
| 参加頻度→安心感 | 継続すると安心して質問できる | 本人の語りと観察 |
| 安心感→参加頻度 | 安心できると参加が続く | 時系列の参加記録 |
この例から判断できること
安心感と参加頻度の循環は検討仮説です。矢印の数だけで最も効果的な介入を決めず、根拠と実行可能性を確認します。
判断で間違えやすいこと
地図の矢印を確定した因果関係と呼ぶ
見直し方: 仮説、経験談、記録に基づくリンクを区別する
理由: 参加者の認識だけでは因果効果を確定できないためです。
代表者だけで全員の視点を網羅したとみなす
見直し方: 欠けた立場を確認し追加の参加や聞き取りを行う
理由: 地図の範囲が参加者の経験に依存するためです。
参照資料と確認箇所
- How to design a Participatory Systems Mapping processAlexandra Penn/Pete Barbrook-Johnson · 2022
- 参照箇所
- System definition/boundary; Choosing Stakeholders; Mapping Process; Analysis Design
- 本文との対応
- 境界と参加者を明示し、異なる見解を残して、地図を更新可能なものとして扱います。
このページの引用情報
評価コンパス編集.「参加型システムマッピング」. 評価コンパス, 2026-09-13更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/participatory-systems-mapping/
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更新履歴
- — 定義と適用条件の出典を確認し、仮想事例、判断理由、全欄の記入例を追加。未確認の歴史・普及に関する断定を整理。 既存の手順・留意点も点検し、固定的な人数・閾値や制度の一般化を調整。

