参加型・質的アプローチ複雑系システム思考因果ループ参加型政策評価

参加型システムマッピング

Participatory Systems Mapping
別名: PSM、システムマッピング、因果ループ図ワークショップ

関係者が要因とそのつながりを議論してシステムの地図を作り、異なる見方、介入の候補、評価で確かめる問いを整理する方法です。 [1]

内容更新: 資料確認日: (AI照合を含む)人の監修記録なし説明用の仮想例あり編集方針・確認範囲このページを引用訂正したい箇所を伝える
難易度 上級 費用 中 期間 作業計画の参考例(共通の標準時間ではありません):半日〜2日(設計・ワークショップ・整理を含む)

ひと目でわかる仕組み

  1. マップの焦点を決める
  2. 要因を洗い出す
  3. 因果リンクを結ぶ
  4. ループとレバレッジポイントを読む
  5. 評価クエスチョンへ変換する
  6. マップを更新する
実施手順の流れ。各段階の内容は「実施手順」で確認できます。

参加型システムマッピングでは、目的と範囲を定め、影響を受ける人や現場・政策の知識を持つ人と、変化する要因と因果リンクを描きます。参加者の選び方によって地図に表れる視点が変わります。 [1]

リンクを置く議論と見解の違い自体が学習になります。地図は実測で証明した因果モデルとは限らないため、根拠と仮説を区別し、重要なリンクを調査課題へ変換して更新します。 [1]

使う場面

  • 複雑な地域課題や政策で、成果の経路が単線的に描けない
  • 関係者の見方がばらばらで、問題構造への共通理解を作りたい
  • 事業の副作用や外部要因、相互作用を評価設計に入れたい
  • ロジックモデルやToCの前段として、より広いシステムを見たい

向かない場面

  • 短期・単純な事業で、投入から成果までの経路が明確な場合
  • 強い対立や権力差があり、同じ場で関係者が率直に話せない場合

参加者・体制と成果物

影響を受ける人、現場、関連機関、政策などの立場を含む参加者とファシリテーター。人数は多様な視点と対話のしやすさから調整する。

主な成果物

  • システムマップ
  • 重要ループ・介入点リスト
  • 評価クエスチョン候補

実施手順

  1. マップの焦点を決める
    何のシステムを描くか、境界をどこに置くか、時間軸をどの程度見るかを決める。
  2. 要因を洗い出す
    成果、行動、制度、資源、心理、環境など、変化に関係する要因を参加者から広く出してもらう。
  3. 因果リンクを結ぶ
    要因Aが要因Bを増やす・減らす関係を線で結ぶ。根拠が弱いリンクは仮説として印を付ける。
  4. ループとレバレッジポイントを読む
    強化ループ、均衡ループ、ボトルネック、影響が集中する要因を探す。すぐ変えられる要因と構造的要因を分ける。
  5. 評価クエスチョンへ変換する
    重要なリンクやループについて、実際に働いているかを確認する問いと指標を設定する。
  6. マップを更新する
    評価やモニタリングで得た証拠を反映し、仮説のリンクを修正する。地図を固定成果物にしない。

長所と限界

長所

  • 複雑な相互作用や副作用を評価設計に取り込める
  • 関係者の暗黙知を可視化し、共通理解を作れる
  • 評価クエスチョンや指標の候補を、システム構造から導ける
  • 発展的評価やToCと組み合わせると、適応的な運用に使いやすい

限界

  • マップは現実そのものではなく、参加者の認識に基づく仮説である
  • ファシリテーションが弱いと、声の大きい人の見方に偏る
  • 複雑な地図を作りすぎると、実務で使えない成果物になる

⚠ よくある落とし穴

  • きれいな図を作ることが目的化し、評価クエスチョンへ変換しない
  • 要因を増やしすぎて、どこを見るべきか分からない地図になる
  • 権力差への配慮をせず、参加者が本音を出せない場になる

適用条件と根拠

  • 境界と参加者を明示し、異なる見解を残して、地図を更新可能なものとして扱います。 [1]
仮想例・実績ではありません

欠席の連鎖から確認する問いを選ぶ

説明用の仮想例です。学習支援への参加を考える仮想ワークショップの記録です。

要因のつながり参加者の仮説次の確認
移動負担→参加頻度負担が増えると参加が減る欠席理由の聞き取り
参加頻度→安心感継続すると安心して質問できる本人の語りと観察
安心感→参加頻度安心できると参加が続く時系列の参加記録

この例から判断できること

安心感と参加頻度の循環は検討仮説です。矢印の数だけで最も効果的な介入を決めず、根拠と実行可能性を確認します。

判断で間違えやすいこと

地図の矢印を確定した因果関係と呼ぶ

見直し方: 仮説、経験談、記録に基づくリンクを区別する

理由: 参加者の認識だけでは因果効果を確定できないためです。

代表者だけで全員の視点を網羅したとみなす

見直し方: 欠けた立場を確認し追加の参加や聞き取りを行う

理由: 地図の範囲が参加者の経験に依存するためです。

参照資料と確認箇所

  1. How to design a Participatory Systems Mapping process
    Alexandra Penn/Pete Barbrook-Johnson · 2022
    参照箇所
    System definition/boundary; Choosing Stakeholders; Mapping Process; Analysis Design
    本文との対応
    境界と参加者を明示し、異なる見解を残して、地図を更新可能なものとして扱います。
    資料確認日: (AI照合を含む)

このページの引用情報

評価コンパス編集.「参加型システムマッピング」. 評価コンパス, 2026-09-13更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/participatory-systems-mapping/
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更新履歴
  • — 定義と適用条件の出典を確認し、仮想事例、判断理由、全欄の記入例を追加。未確認の歴史・普及に関する断定を整理。 既存の手順・留意点も点検し、固定的な人数・閾値や制度の一般化を調整。