データ収集質的調査半構造化ラポール逐語録深掘り

インタビュー

Interview
別名: 面接調査、ヒアリング、個人インタビュー

対話を通じて経験や判断の理由を具体的に聞き取る方法です。質問の構造と対象者の選定理由を定め、発言の文脈や聞き手の影響を含めて解釈します。 [1]

内容更新: 資料確認日: (AI照合を含む)人の監修記録なし説明用の仮想例あり編集方針・確認範囲このページを引用訂正したい箇所を伝える
難易度 中級 費用 中 期間 作業計画の参考例(共通の標準時間ではありません):準備1〜2週間、実施(1回45〜90分)×対象人数、分析2〜4週間

ひと目でわかる仕組み

  1. インタビューの目的と形式の決定
  2. インタビューガイドの作成
  3. 対象者の選定と同意取得
  4. ラポール構築と実施
  5. 記録と逐語録の作成
  6. メンバーチェックと追加確認
  7. コーディングと主題分析
実施手順の流れ。各段階の内容は「実施手順」で確認できます。

構造化面接では問いと順序を揃え、半構造化面接では共通の論点を保ちながら語りに応じて掘り下げます。非構造化面接では、対象者の関心から探索的に話を進めます。 [1]

評価の問いに合う対象者を選び、説明と同意、記録方法、分析方針を準備します。発言は本人の見方を示す情報であり、出来事の記録や他の立場の話と照らして理解します。 [1]

使う場面

  • 事業の実施プロセス・受益者の経験・変化の文脈を深く理解したい
  • 量的調査の結果では説明がつかない「なぜ」を探りたい
  • ステークホルダーの多様な視点・利害対立を把握したい
  • センシティブなテーマ(被害経験・職場の問題など)で対面の関係性が必要な場合

向かない場面

  • 大規模な集団の割合を推定することが主目的の場合は、標本調査等を検討する
  • インタビュアーの技量が確保できない場合 — 誘導質問や不十分な掘り下げでデータが歪む
  • 対象者の時間的負担が難しい場面(多忙な管理職・クライシス下の受益者等)

参加者・体制と成果物

インタビュアーと必要に応じた記録担当。対象の選定と人数は、問い、経験の多様性、分析方針、実施可能性から決める。

主な成果物

  • 逐語録(Verbatim Transcript)
  • コーディングシート・コードブック
  • 主題分析レポート・個別インタビュー要約

実施手順

  1. インタビューの目的と形式の決定
    評価クエスチョンに照らし、構造化・半構造化・非構造化のどれが適切かを決める。比較可能性が重要なら構造化、文脈の深掘りが目的なら半構造化を選ぶ。
  2. インタビューガイドの作成
    中心となる問いと掘り下げの問いを整理する。質問数と順番は目的、面接時間、参加者の負担に応じて試行し、誘導を避ける。
  3. 対象者の選定と同意取得
    評価目的に応じた意図的サンプリング(最大多様性・典型的事例・批判的事例など)を行う。インフォームドコンセント文書を用意し、録音・録画の同意を書面で取得する。
  4. ラポール構築と実施
    開始時にインタビューの目的・匿名性・中断の権利を説明し、緊張を解くアイスブレイクを行う。傾聴・沈黙の活用・言い換え確認(パラフレーズ)・感情に配慮したフォローアップで深掘りする。
  5. 記録と逐語録の作成
    録音(同意あり)と同時に手書きメモを取る。面接メモは記憶が新しいうちに補完し、録音の逐語録は分析計画に合わせて定めた期限で作成する。重要な非言語情報(表情・沈黙・感情的な変化)をフィールドノートに記録する。
  6. メンバーチェックと追加確認
    重要な発言・解釈について対象者に確認(メンバーチェック)し、誤解や取り違えを修正する。追加質問が必要な場合は了解のうえ実施する。
  7. コーディングと主題分析
    逐語録を評価クエスチョンに沿ってコーディング(テーマ別分類)し、主題分析(Thematic Analysis)または内容分析(Content Analysis)を行う。採用する分析方式とその前提を明示する。一致率を用いる方式では複数の調査者で確認し、reflexive thematic analysisでは研究者の解釈と省察の過程を記録する。

長所と限界

長所

  • 量的調査では捉えられない経験・意味・プロセスの文脈を深く把握できる
  • 対象者の言葉・表現そのものが一次データになり、報告書での引用に強い
  • 予期していなかった成果や問題を発見する探索的能力が高い
  • フレキシブルな対話で回答の理解度確認・誤解の修正ができる

限界

  • 時間とコストがかかるため、大人数への適用が難しい
  • インタビュアーのスキルと対象者との関係性によってデータの質が大きく変わる
  • 分析が主観的になりやすく、再現性の担保には構造的なコーディング手続きが必要
  • 回答者が社会的望ましさの方向に回答を調整するバイアス(Social Desirability Bias)が生じやすい

⚠ よくある落とし穴

  • 誘導質問(「〜だったんじゃないですか?」)でインタビュアーが答えを誘導してしまう — ガイドをオープン質問で設計し、複数名でレビューする
  • インタビュー中にメモを取ることに集中して、傾聴・フォローアップが疎かになる — 録音を活用し、手書きメモは最小限にする
  • データ量の多さに圧倒され「印象に残った発言の切り張り」で終わる — コーディングの手続きを事前に設計し、逐語録全体を分析する

適用条件と根拠

  • 面接形式を目的に合わせ、語りの文脈と選定方法を示します。 [1]
  • 主題分析には前提の異なる方式があり、reflexive TAへ複数の独立コーダーと一致率を必須条件として持ち込みません。 [2]
  • 面接メモの早期補完と、分析計画に沿う録音逐語録の作成を別の工程として扱います。 [3]
仮想例・実績ではありません

計画を使えた人・使えなかった人に聞く

説明用の仮想例です。研修受講者から、計画を使った人と使わなかった人を目的的に選びます。

問い仮想発言分析メモ
最後に計画を使った場面は会議前に上司へ見せたら議題に入った上司への事前相談が活用を支えた可能性
使わなかった時の状況は担当が替わり、会議の予定もなかった異動と検討機会の不足を追加確認

この例から判断できること

二つの語りから、職場で検討する機会を追加調査する仮説を得ます。この人数で障壁の割合や因果効果は推定しません。

判断で間違えやすいこと

研修のおかげで改善しましたねと聞く

見直し方: 何が変わり、その前後に何があったかを尋ねる

理由: 支援への肯定を求める聞き方を避けるためです。

印象的な一言を全員の意見とする

見直し方: 発言者の立場と異なる事例を併記する

理由: 目的的に選んだ語りは頻度の代表値ではないためです。

参照資料と確認箇所

  1. Interviews
    BetterEvaluation
    参照箇所
    Types of interviews
    本文との対応
    面接形式を目的に合わせ、語りの文脈と選定方法を示します。
    資料確認日: (AI照合を含む)
  2. Thematic Analysis FAQs
    Virginia Braun / Victoria Clarke
    参照箇所
    Why don’t we advocate multiple-coders and inter-rater reliability for reflexive TA?; Should someone else check my coding?
    本文との対応
    reflexive TAでは一致率を普遍的な品質要件とせず、研究者の解釈・立場と省察を扱います。
    資料確認日: (AI照合を含む)
  3. Public Participation Guide: Stakeholder Interviews
    U.S. Environmental Protection Agency
    参照箇所
    Principles for Successful Planning; Implementation Time (updated January 6, 2026)
    本文との対応
    記憶が新しいうちに面接メモを整理する助言です。録音逐語録の一律の完成期限を示すものではありません。
    資料確認日: (AI照合を含む)

このページの引用情報

評価コンパス編集.「インタビュー」. 評価コンパス, 2026-10-07更新. https://evalcompass.jun-nakatani.com/methods/interview/
閲覧日は利用者が追記してください。本サイトが作成した本文の再利用はCC BY 4.0。引用・外部資料・同梱フォントには、それぞれの利用条件が適用されます。再利用時は出所とライセンスへのリンクを示し、変更した場合はその旨を表示してください。

このページの訂正・改善を伝える

更新履歴
  • — 定義と適用条件の出典を確認し、仮想事例、判断理由、全欄の記入例を追加。未確認の歴史・普及に関する断定を整理。 既存の手順・留意点も点検し、固定的な人数・閾値や制度の一般化を調整。 入力欄の位置・型・個数を保ち、フォームの固定条件や閾値の表記を修正。
  • — 限定追調査FW-U01〜U05に基づき、分析方式・記録期限・人数の適用範囲と、回答率チェックの前提を明確化。既存入力欄は維持し、数値目安自体を誤りと断定していない。